Nordic Semiconductorは、短距離無線ソリューションの世界的開発企業である加賀 FEIが、基板内蔵アンテナを備えたBluetooth® 6.0対応モジュールとして、世界最小とされる「ES4L15BA1」を開発し、このモジュールにNordic Semiconductorの新世代nRF54LシリーズのSoC「nRF54L15」が採用されたと発表しました。ES4L15BA1は、超コンパクトサイズを特徴とし、米国、カナダ、日本で事前認証を取得しており、Bluetooth LE対応のIoTデバイスの迅速な開発と市場投入が可能です。
「ES4L15BA1」モジュールは、医療、ヘルスケア、産業用IoT(IIoT)などのスペース制約のあるソリューションや、スマートグラスのような小型、薄型、ペン型デバイスやウェアラブルデバイス向けに設計されています。nRF54L15 SoCが対応予定のBluetooth 6.0の新機能「Bluetooth Channel Sounding」により、距離測定アプリケーションにおいて信頼性と精度が大幅に向上します。これにより、デバイスの距離情報を基にしたセキュリティ強化(近接によるデバイスのロック解除など)が求められる用途に最適です。動作温度範囲が-40°Cから105°Cまで対応しており、過酷な環境で使用される産業機器にも適しています。
加賀 FEIで事業部長代理を務める青木幹雄氏は、次のようにコメントしています。「ES4L15BA1モジュールとNordicのnRF54L15 SoCにより、次世代無線IoT製品の開発時間と認証コストを削減できます。Nordic Semiconductorは、市場ニーズに応じた使いやすい無線チップをタイムリーに提供し、充実した技術文書と迅速で優れた技術サポートを提供してくれる点が魅力的です」
nRF54L15 SoCは、Bluetooth LE、Bluetooth Mesh、Thread、Matter、Zigbee、Amazon Sidewalk、2.4 GHz独自プロトコルをサポートし、最大4 Mbpsのスループットを実現します。また、128 MHzで動作するArm® Cortex®-M33プロセッサと超低消費電力のマルチプロトコル2.4 GHz無線を搭載しています。さらに、最大1.5 MBの不揮発性メモリ(NVM)と256 KBのRAMを備えており、高度なアプリケーションソフトウェアや無線プロトコルスタックをサポートします。nRF54L15 SoCは標準的な周辺機器をすべて統合し、統合されたRISC-Vコプロセッサがソフトウェア定義周辺機器や時間的に重要なタスクを処理します。
「nRF54L15 SoCを選択した理由は、Bluetooth 6.0機能への対応が期待できる点と、PSA Certified Level 3セキュリティ要件を満たす設計がされているためです。また、Nordic SemiconductorはBluetooth LEチップ市場のリーダーである点も重要でした。さらに、nRF54L15は、Arm Cortex M33プロセッサとRISC-Vコプロセッサにより高い計算性能を実現し、大容量の1.5 MB NVMおよび256 KB RAMを内蔵しながら、超小型モジュール設計を可能にしています」と、青木氏はコメントしています。