超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、nRF91®シリーズ初となるセルラーIoTモジュール、nRF9160 System-in-Package(SiP)を、世界的なディストリビューションネットワークを通じて全顧客向けに今後24時間以内に発売することを発表しました。このディストリビューションネットワークには、Digi-Key ElectronicsやMouser Electronics、Premier Farnellなどが含まれます。
nRF9160はFCC認証/CE認証のみならず、GCF認証(3GPP LTEスペックとグローバルセルラーネットワーク相互運用性に関する法令遵守のために設けられたモジュール通信産業の「クオリティーマーク」)も取得済みです。これは、nRF9160SiPがセルラーネットワークおよびセルラーIoT製品の開発に世界中でご利用いただけることを意味しています。
今回の一般向け発売により、モジュールの組み込みが容易になり、セルラーIoTワイヤレステクノロジーがあらゆるアプリケーションで利用可能になります。主な利用例として、資産の監視と追跡、ユーティリティーメーター、インダストリアル(工業)コネクティビティとその予防保全、スマートシティとインフラストラクチャ、スマート農業、医療などがあります。
nRF9160 SiPは、わずか10 x 16 x 1mmというコンシューマー向け・医療向け小型ウェアラブルデバイスに最適なコンパクトサイズでありながら、外部バッテリー、SIMおよびアンテナが必要であるという点を除き、セルラー接続やIoTアプリケーションで必要なすべての機能を統合した完璧なソリューションです。
この非常に高度なインテグレーションを実現するため、NordicはQorvoと提携し、モジュールよりも集積チップに近いSiPを開発しました。nRF9160 SiPは、Qorvoの実績のある最先端RFフロントエンドと高性能パッケージング技術、MicroShield™テクノロジーを活用した、高い性能と低電力消費を併せ持つユニークな超小型ソリューションです。nRF9160 SiPではNordicのマルチモードLTE-M / NB-IoTモデム、SAWレストランシーバー、QorvoのカスタムRFフロントエンドソリューションを組み合わせることで、単独のSiPバリアントによるグローバルな運用をサポートします。
またnRF9160 SiPは、Armの最新CPUコアであるArm Cortex M-33を組み込んだ初のセルラーIoTモジュールで、1MBのフラッシュと256KBのRAMオンボードメモリでサポートされています。nRF9160 SiPはArmの最先端技術Arm TrustZoneとArm CryptoCellセキュリティを組み込むことでインターネットレベルの暗号化とアプリケーション保護を実現した初のモジュールでもあります。これら両テクノロジーは、処理や電力消費、セキュリティにおいて最高レベルの性能が求められるエネルギー効率の高い組み込み型IoT製品を対象として設計されました。
nRF9160 SiPには、1MBのフラッシュと256KBのRAMオンボードメモリ、多様なペリフェラル、アナログおよびデジタルインターフェイス、32本のGPIO、フルLTE機能付き独立型モデムに加え、マルチバンドRFフロントエンドが搭載されています。
セルラーIoTモジュール市場におけるnRF9160 SiPのもうひとつのユニークな特徴は、GPSへのサポートも組み込み、GPSとセルラーデータを組み合わせることで、これらのテクノロジーのいずれかを単独で使用した場合よりも正確な測位に利用できることです。
NordicのセルラーIoT担当プロダクトマネージャーであるPeder Randは次のように述べています。
「Nordic は、不必要かつ複雑なあらゆる技術的作業から設計者を解放することで、Bluetoothの応用範囲を広げました。認証済みで、設置が容易なLTE-M/NB-IoT nRF9160 SiPモジュールは、競合するソリューションと全く異なるアプローチを取ることによりセルラーIoTに対して同じ役割を果たすことを可能にします。そして今回、すべての方々にこのモジュールの提供が可能となりました。」
NordicのタクティカルマーケティングマネージャーであるJohn Leonardは次のように付け加えます。
「数々のユニークなIoT向け機能の中で最も大きな鍵となるのは、すべてのIoTアプリケーションにとって何よりも重要なセキュリティです。Arm TrustZoneを搭載したということは、nRF9160 SiP上に、信頼された実行ゾーンと信頼されないゾーンとして指定される領域が作られるということです。これは、暗号化の要素や鍵のストレージといったクリティカルな部分が、外の世界から直接アクセスできない領域に置かれることを意味します。nRF9160 SiPのArm CryptoCellセキュリティと連係したこのモジュールは間違いなく、今日の市場で最も先進的なセキュリティを備えたセルラーIoTデバイスです。」
Qorvoのモバイル製品担当プレジデントであるEric Creviston氏は次のように述べています。
「Nordicとの戦略的提携により、セルラーIoTソリューションの新たなカテゴリーを市場に生み出せることを嬉しく思います。我々の業界トップクラスのRFと高度なパッケージングテクノロジーが、台頭しつつある低電力IoT市場をターゲットとする新製品を実現する重要な役割を演じることになり、とてもうれしく思います。」
nRF9160 SiPをサポートする開発キット、SiPモジュールの各種サンプル、LTE-Mファームウェア、およびクラウド接続向けのアプリケーション例を含むSDKは、現在すべて利用可能です。SDKにはNordicのクラウドベースのデバイス管理ツール「nRF Connect for Cloud」とPCベースのツール「nRF Connect for Desktop」が含まれているほか、Segger Embedded Studioにも対応しています。これらはすべて、センサーからクラウドまでをつなぐIoTアプリケーションをお客様が快適に利用開始できるようにすることを目的として作られています。
NB-IoTおよびGPSの機能は限定的なサンプリング中であり、2019年第1四半期中のファームウェアのアップデートを通じた評価で利用可能となる予定です。
nRF9160 SiPモジュールに関する詳細な技術情報については、Nordicのウェブサイトの製品ページ(下記参照)をご覧ください。
世界最大のBluetoothチップサプライヤー、NordicのセルラーIoT市場への参入
Nordicは、世界的なBluetooth®チップ市場における(商業的・技術的両面での)リーダーシップで最もよく知られています。nRF9160 SiPモジュールの幅広い可用性は、Nordicが低電力セルラーIoTワイヤレステクノロジー市場へ正式に、しかもまったく新しい顔として参入したことを示しています。
セルラーは複雑なワイヤレステクノロジーとして有名で、構造的なレベルで設計するための専門知識と経験を有する設計チームは世界にもごく少数しか存在しません。NordicのセルラーIoT設計チームは全員、2011年から2014年にフィンランドで続いた合理化によるレイオフの波に伴い、NokiaやMicrosoft、Broadcom、ST-Ericssonなどの企業から採用された世界トップクラスの頭脳を持つセルラー研究開発エンジニアです。
このことは、セルラー無線通信テクノロジーにおけるNordicの伝統が世界中のどの企業とも肩を並べるものであり、NordicのセルラーIoT設計チームの多くのメンバーがキャリアのほぼ全体を通じてセルラー設計に携わっていることを意味します。また何よりも重要なのが、nRF9160 SiPモジュールに関するすべての技術サポートが、製品を一から設計したエンジニアによって行われるということです。
Qorvoについて
Qorvo(NASDAQ:QRVO)は接続の核となる革新的なRFソリューション提供を通じ、世界をより良いものへと変革しています。Qorvoは製品とテクノロジーに関するリーダーシップ、システムレベルのノウハウ、およびグローバル規模での製造により、お客様の最も複雑な技術的課題も迅速に解決します。Qorvoは先進的ワイヤレスサービス、有線/無線ネットワーク、および防衛用レーダー/通信ソリューションを含む、大規模なグローバル市場のさまざまな高成長セグメントに注力しています。5Gネットワーク、クラウドコンピューティング、モノのインターネット、および人々/場所/モノを互いに接続するグローバルなアプリケーションを進化させるための他社にはない競争力を活かしています。詳細は、ウェブサイトをご覧ください(英語) http://www.qorvo.com/ 。
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