超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、世界有数の産業ソリューションの多国籍企業の一社であるPanasonic Industry社が、同社の「PAN1780モジュール」にNordicのnRF52840
Bluetooth® 5/Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE) System-on-chip(SoC)を採用したことを発表しました。 Nordic SoCは浮動小数点演算ユニット(FPU)搭載の64MHzで32ビットのArm® Cortex® M4プロセッサを備えているため、PAN1780モジュールが最も複雑なIoTアプリケーションもサポートできます。 このモジュールは、周囲動作温度-40~85ºCであらゆる産業分野に対応可能です。
nRF52840のBluetooth 5の機能により、PAN1780モジュールを選択したカスタマーは、スマートシティ、スマートビルディング、産業用メッシュネットワークなど様々なインダストリアルIoTアプリケーションでBluetooth 5のロングレンジ機能と向上したスループット(2Mbps)を活用できます。 Bluetooth 5のChannel Selection Algorithm(CSA #2)は、他の2.4GHzのRF信号からの干渉に対するモジュールの耐性を高め、電波干渉のある環境で用いる製品として良い選択肢となります。 こうした耐性によりリンクの安定性が向上するため、パケットの再送信を制限して電力を節約できます。 更には このモジュールのBluetooth 5 アドバタイジングエクステンションにより、ビーコンネットワークといったコネクションレスの状況で通信量が増加します。
NordicのnRF52840 SoCは、Arm M4プロセッサのほかに、オンチップPAを搭載した2.4GHzマルチプロトコル無線を備えており、-95dBmという受信(RX)感度(Bluetooth LEモードの1Mbps)と、最大8dBmという送信出力によりトータルリンクバジェット103dBmを実現しています。 SoCには1MBのフラッシュメモリと256KBのRAMを搭載しており、Bluetooth 5、Thread、IEEE 802.15.4プロトコルの同時動作をサポートできる唯一のSoCです。 IoT特有のセキュリティ課題に対応できるよう設計されたnRF52840 SoCは、Arm CryptoCell-310暗号化アクセラレータを組み込んでおり、クラス最高のセキュリティを提供しています。
NordicのnRF52840 SoCには、Bluetooth 5認定済みのソフトウェアプロトコル・スタックであるNordicのS140 SoftDeviceが付属されており、ロングレンジや高スループットデータ通信のBluetooth LEアプリケーションを構築できます。 S140 SoftDeviceは、セントラル、ペリフェラル、ブロードキャスタ、オブザーバのBluetooth LEロールを同時実行できます。 OpenThreadおよびZigbeeスタックは、NordicのThread/Zigbee向けnRF5 SDK(ソフトウェア開発キット)から入手できます。
Panasonic Industry社は、このモジュールと共に リファレンス設計、PCBレイアウトの検討事項、ペリフェラル、Nordic nRF5 SDKでのデモの使用方法を記載したPAN1780 モジュール統合ガイドを開発者に提供します。
Panasonic Industry社のワイヤレスコネクティビティ部門 プロダクトマーケティングマネージャーのLara von Rheinさんは次のように述べています。
「当社のPAN1780モジュールにNordicのBluetooth 5 nRF52840 SoCを選択した理由は、Bluetooth mesh/Thread/Zigbee/NFC、FPU搭載のArm M4プロセッサ、RAMの容量、ロングレンジ機能をはじめとする技術的特徴とチップ開発柔軟性によるものです。長年、当社のお客様は、Nordic製品搭載のソリューションを求められていましたが、今回の選択によりこれが実現しました。」