シチズン時計株式会社の光発電Bluetooth LE腕時計、 ユーザーのライフスタイルと関心に合わせてカスタマイズされた機能を提供

「Eco-Drive Riiiver」がNordic SemiconductorのnRF52810 SoCを採用したことで、Bluetooth LE経由でスマートフォンアプリからパーソナライズ機能を作成可能に

超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、東京に本社を置く世界有数の時計メーカーであるシチズン時計株式会社(本社:東京都西東京市/社長:佐藤 敏彦、以下 シチズン)が、同社のフルカスタマイズ可能な光発電式の腕時計「Eco-Drive Riiiver」のワイヤレス接続用にNordicのnRF52810 Bluetooth® Low Energy(Bluetooth LE)System-on-Chip(SoC)を採用したことを発表しました。

既に機能設定されているボタンを搭載した従来の腕時計とは異なり、Eco-Drive Riiiverでは、ユーザーが自分の好みに合わせてボタンをカスタマイズできるうえ、ユーザー自身のライフスタイルや関心に合わせてスマートウォッチから起動や表示を行える「iiidea」と呼ばれるミニプログラムを作成できます。たとえば、iOSやAndroidに対応した「Eco-Drive Riiiver」アプリから、ユーザーは「サービス」や「アクション」を提供する「トリガー」(スマートウォッチ上で特定のボタンを押すこと)を選択できます。特定のボタンによりスマートウォッチを起動し、スポーツイベントのスコアの最新情報をユーザーに提供し時計の針でスコアを表示できます。あるいは、ボタンを押すことでスマートウォッチを起動して、「到着しました」といったあらかじめ設定したメッセージを添えてユーザーの現在位置を所定の連絡先に送信できます。スマートウォッチとユーザーのBluetooth 4.0(以降)のスマートフォンの間のワイヤレス接続はNordicのSoCにより提供されます。
 
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NordicのSDK にはすべてが揃っており、この優れた開発キットにより、Bluetooth LEの部分を心配することなく開発時間を短縮できました。
シチズン時計株式会社のエンジニア兼システムアーキテクトの松王 大輔氏
プロセッサの負荷の高いアプリケーションにもかかわらず、Eco-Drive Riiiver腕時計は、NordicのSoCの超低消費電力の特性もあるため太陽光や光で稼働します。nRF52810は消費電力を最小限に抑えられるよう設計されており、2.4GHz無線の4.6mAのピークRX/TX電流、およびNordicのnRF51シリーズのSoCに比べて最大80%消費電力を削減する完全自動式の電力管理システムといった特長を備えています。さらには、nRF52810 SoCのリンクバジェットの優れた2.4GHz無線では、最大-96dBmという受信(RX)感度と最大+4dBmという送信(TX)出力により、全体的なリンクバジェットが100dBmを超えます。この優れたリンクバジェットにより、ステンレス製のスマートウォッチで堅牢なワイヤレス接続を実現します。

NordicのnRF52810マルチプロトコルSoCは、64MHzで32ビットのArm® Cortex® M4プロセッサ、無線のエネルギー消費を削減できる2.4GHzマルチプロトコル無線(Bluetooth 5、ANT™、独自仕様の2.4GHz RFプロトコルソフトウェアに対応)、192KBのフラッシュメモリ、24KBのRAMを統合しています。nRF52810 SoCには、Bluetooth 5対応のRFプロトコルソフトウェアであるNordic S112 SoftDeviceの最新バージョンが同梱されています。

シチズン時計株式会社のエンジニア兼システムアーキテクトの松王 大輔氏は次のように述べています。
「Eco-Drive RiiiverにNordicのnRF52810 SoCを採用したのには、同社の低消費電力と無線感度の高さが理由としてあげられます。腕時計がフルメタルデバイスであるためこれは極めて重要はファクターとなります。NordicのSDK (Software Development Kit)にはすべてが揃っており、この優れた開発キットにより、Bluetooth LEの部分を心配することなく開発時間を短縮できました。不明な点があれば、NordicのDevZoneで問い合わせすればすぐに専門家からのアドバイスももらえました」