nRF52805は、パワフルな64-MHz 32-bit Arm® Cortex®-M4プロセッサを搭載し、192KB Flashと24KB RAMを搭載しています。マルチプロトコル無線(Bluetooth LE/2.4GHz)は、最大+4dBmの出力と-97dBmの感度(1 Mbps Bluetooth LE)で、101dBmのリンクバジェットを実現します。無線のピーク消費電力はわずか4.6mA(TX 0dBM、RX 1Mbps)で、SoCの消費電流はシステムオフでわずか0.3µA、システムオンでは24KB RAMが保持されRTCが起動した状態で1.1µAとなっています。SoC は、SPIやUART、TWIなどの幅広いアナログおよびデジタルインターフェイス、2チャネル12-bit ADC、およびGPIO 10本を搭載しています。
nRF52805は現在S112 SoftDeviceに対応しており、S113 SoftDeviceにも近々に対応予定です。S112およびS113 SoftDevice(Bluetooth 5.1認証済みプロトコルソフトウェア)は、2Mbpsの高スループットおよびCSA #2の両機能に対応するメモリ最適化されたペリフェラル用スタックであり、ブロードキャスターと同時並行する1つのペリフェラルとして最大4つの接続をサポートします。また、接続の本数と1接続あたりの帯域幅を設定できるため、メモリと性能の最適化が可能になります。S112 とS113はいずれもLE Secure Connectionに対応しており、LE Legacy Pairingと比較してセキュリティ性能が向上しています。S113ではLE Data Packet Length Extensionにも対応しているため、パケットあたりのスループットが増加し、オーバーヘッドが低減します。
太陽誘電の商品開発部次長の青木 幹雄氏は次のように述べています。
「当社がnRF52805 SoCモジュールを選択した理由は、パワフルなArm Cortex M4プロセッサと、非常に優れた無線感度、そして消費電力の小ささにあります。また、NordicがBluetooth Low Energyのナンバーワン企業であることと、開発者向けの充実したサポート内容を考慮すれば、これは正しい選択だと思います」
評価ボードとサンプルモジュールは2020年第3四半期に提供可能となる予定で、量産は第4四半期を見込んでいます。