nRF9160 SiPの64-MHz Arm® Cortex®-M33プロセッサは、LTE-Mセルラー接続機能やその他あらゆる製品機能を実行するための十分な計算能力を提供します。1MB Flashと256KB RAMにより、高速レスポンスと複雑なアプリケーションソフトウェアに対応します。トラッキングデバイス「まもサーチ2」は、nRF9160の10 x 16 x 1 mmというコンパクトなサイズを活かし、SiP、Wi-Fiチップセット、バッテリー、Wi-Fiアンテナとセルラーアンテナを、わずか45 x 45 x 15 mm、重さ36gのデバイスの中に搭載しました。バッテリーは通常の使用状態なら1回の充電で約1ヵ月、スタンバイ状態なら3ヵ月間の使用が可能です。NordicのSiPが持つ超低消費電力という特性がその一端を担っています。
「まもサーチ2」のゲートウェイはnRF9160 SiPに加えてNordicのnRF52832 SoCも搭載しており、Bluetooth LEでの接続が可能です。そのため工場や倉庫、建設現場での資材の所在管理など、工業用・商用アセットのトラッキング用途に対応します。Bluetooth LE機能があることで、どのBluetoothビーコンからでもゲートウェイにビーコンの位置を通知することが可能となります(Bluetoothビーコンは、固定の資材置き場を判断するための信頼性の高い手法として世界中で広く用いられています)。ビーコンから発信された位置情報のデータはnRF9160が対応するLTE-Mセルラー接続でクラウドに転送できるため、管理者は付属のアプリから複数のアセットを同時にトラッキングすることが可能です。
nRF9160 SiPはグローバルなセルラーIoTアプリケーションの認証を取得済みで、コンパクトなサイズでありながら専用のアプリケーションプロセッサとメモリ、RFフロントエンド(RFFE)、GPS、およびパワーマネージメントを備えたマルチモードのLTE-M/NB-IoTモデムが組み込まれています。このSiPには、Arm M33プロセッサ、FlashとRAM、アナログおよびデジタルの幅広いペリフェラル、自動化された電源およびクロック管理、Trusted Execution用のArm TrustZone®、およびアプリケーション層セキュリティ用のArm CryptoCell™ 310が備わっています。プロセッサはBSDセキュアソケットAPIを介してLTEモデムと通信し、アプリケーション層プロトコル(CoAP、MQTT、LWM2M等)およびアプリケーションをサポートします。nRF9160 SiPのLTEモデムはSIMとeSIMの両方に対応しており、700~2200MHzのLTEバンドサポート、23dBmの出力電力、50ΩのシングルピンアンテナおよびUICCインターフェイスを提供します。LTEスタックレイヤーL1-L3、IPv4/IPv6、TCP/UDP、TLS/DTLSは、モデムファームウェアの一部です。
関連製品には、事前認証済みのシングルボード開発キットであるnRF9160 DKと、事前認証済みおよび事前コンパイル済みダウンロードとして提供されるLTEモデムファームウェア、アプリケーション層プロトコル、アプリケーションサンプルを含むソフトウェア開発キットnRF Connect SDKがあります。
NordicのnRF52832マルチプロトコルSoCには、浮動小数点演算ユニット(FPU)搭載のパワフルな64MHzで 32ビットのArm Cortex M4プロセッサと、-96-dBmの受信(RX)感度とトータルリンクバジェット100dBmを実現し、2.4GHz無線通信機能、512KB Flashと64KB RAMという大容量のメモリを搭載しています。
IoTBankの代表取締役社長である曲氏は次のように述べています。
「当社がトラッキング/ゲートウェイデバイス『まもサーチ2』にNordicのnRF9160 SiPを採用したのは消費電力が低い点が大きな理由です。一方、ゲートウェイにNordicのnRF52832 SoCを使用したのは、そのネットワーク通信機能の安定性の高さからです。」
「製品開発段階ではNordicのエンジニアによる優れた技術サポートが非常に大きな手助けとなり、そのおかげもあって商品化までのスピードを向上させることができました。」