超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は、無線IoT分野における業界最大の新技術の1つであるAmazon Sidewalkの最前線にNordicのBluetooth無線技術を再び投入いたします。
実績あるNordicのnRF52840 Bluetooth Low Energy (LE) System-on-Chip (SoC)とnRF Connect SDKを活用すれば、クラス最高のAmazon Sidewalk製品の開発をすぐに始めることができます。
Amazon Sidewalkには大きく分けて2つのタイプがあります。ひとつは家庭内での用途を対象とした、ライセンス不要の2.4GHz Bluetooth LEを使用する短距離タイプ、もうひとつは屋外での用途を対象とした、産業・科学・医療(ISM)用のライセンス不要のサブGHz周波数帯を利用する長距離タイプです。
短距離では、Bluetooth LEでAmazon Sidewalkを利用することにより、データのプライバシーとセキュリティを特に重視した、Bluetooth LEデバイスのクラウドへのスムーズな接続が可能になります。このタイプは家庭やビルの中にあるデバイスに最適です。Nordicのソリューションで必要なのはNordic nRF52840 SoCのみです。
長距離タイプのAmazon Sidewalkは、ホームWi-FiとセルラーIoTネットワークの間に置くことを目的とする、低データレートの無線IoTネットワークです。ホームWi-Fiよりも広い「近隣エリア全体」を対象としていますが、セルラーネットワーク接続の利用に伴うコストが発生しません。
米国では、長距離タイプのSidewalkは900MHzのISM帯域を使用する予定になっています。Nordicのソリューションにおいてこの機能を可能にするのはSemtech SX1262トランシーバーになります。このトランシーバーにはさらにSidewalk over LoRaとSidewalk over FSKという2つのオプションがあり、FSKは「周波数偏移変調」(FSK)という昔から確立されたデジタルデータ変調方式を使用しているため、LoRaよりもデータのスループットが高くなりますが、距離は短くなります。
サブGHzの長距離タイプのAmazon Sidewalkでは、今後もNordic nRF52840を利用する予定です。nRF52840はアプリケーションプロセッサとして機能し、デバイスのネットワーク登録や認証のためのBluetooth LE接続や重要なデバイスのファームウェアの無線アップデートを実現します。
用途の例としては、屋外でのスマート照明、環境センサー、電気・ガス・水道などのメーター、アセットトラッカーのほか、地下室やガレージに置かれることの多い洗濯機や乾燥機などの家電、および医療機器、産業機器などがあります。
Amazon Sidewalkが開発者に開放されたことで、開発者やデバイスのメーカーはインターネットへの接続方法を気にすることなく製品の開発に専念できます。また、すでに導入されている莫大な数のデバイスにもAmazon Sidewalkが搭載されることになります。ネットワークに参加するすべてのSidewalk Bridgeデバイスは、インターネット帯域のごく一部分の帯域のみを共有し、Amazon Sidewalkのどのエンドデバイスにもサービスを提供します。これにより、アセットトラッキングや紛失物の探索など、さらに多くのユースケースを実現することができます。
NordicのプロダクトマーケティングエンジニアであるFinn Boetiusは次のように述べています。
「Amazon Sidewalkは、消費者を対象とするワイヤレスIoTにおいて非常に有望な技術です。米国のいたるところに存在する、Amazon EchoおよびRingデバイスを導入した既存のインフラをアップグレードすることで、AmazonはワイヤレスIoTの用途の幅と市場のポテンシャルをさらに広げるまたとない機会を手に入れました。中でも、Bluetoothを活用することで、スマートフォンを使用した消費者のネットワークへのAmazon Sidewalkデバイスの追加が非常に簡単になります」
Amazon Sidewalkはまず米国内で発売予定です。